20名の漫画家が描いた東京のストーリーから新たな発見を!
まだまだ新型コロナウイルス感染症により、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、気軽に訪れられない日々が続いています。
しかし、そんな状況下に負けじとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべく、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。
先日、弊社サイトに掲載した「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」でも取材させていただいた、東京都現代美術館にて開催中の漫画「もしも東京」展をご紹介します。
漫画「もしも東京」展は、『ピンポン』『Sunny』の松本大洋、『ソラニン』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の浅野いにお、『岳 -みんなの山-』『BLUE GIANT』の石塚真一をはじめ、日本を代表する20名の漫画家たちが “東京” をテーマに描き下ろした20の作品を展示するアートプロジェクトです。
漫画家が制作した20点の作品は、 “読む東京”、“歩く東京” をコンセプトに、東京都現代美術館の地下2階講堂や、中庭等、館内のパブリックスペースで展示されます。
地下2階講堂では、『ピンポン』『Sunny』の松本大洋をはじめ、『ソラニン』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の浅野いにおなど、まるで東京の街の路地を抜けて、18の小部屋に区切られた小部屋の門をくぐると、それぞれの漫画家の描いた「もしも東京」の世界が広がっています。
それぞれの視点で描かれた東京は、近未来の風景や情景として捉えたものや、期待と不安を抱えた人物に寄り添ったもの、現在のコロナ禍において希望を託したものなど、東京をテーマにしながら切り取り方もさまざまで、20名の漫画家が描いたストーリーから発見や共感を覚えることでしょう。
中庭の壁面には、石塚真一の巨大な一コマ漫画作品『Tokyo Sound』が展示。男性が奏でているサックスには100を超える東京らしさが描き込まれており、ぜひ作品に近づいてあなたの知っている東京らしさを探してみてください。
また、水の敷かれた屋外スペースには大童澄瞳の『East Tokyo』が展示。空間の奥行きや水上という場所の特性を生かして表現された新しいカタチの漫画展示です。
20名の漫画家たちの視点が交差し、何万通りもある東京のイメージを広げ、東京という街が物語に溢れているかを再確認できる本展覧会。
鑑賞者であるあなたも自分だけの東京ストーリーを描いてみてはいかがでしょうか。
取材・執筆・撮影:新麻記子
【情報】
漫画「もしも 東京」展
会期:2021年8月4日(水)~9月5日(日)
会場:東京都現代美術館 地下2階講堂・中庭・水と石のプロムナード
休館日: 毎週月曜日
※8月9日(祝・月)は開館、翌8月10日(火)が休館。
※東京2020大会開催期間中の月曜日は開館となり、8月30日(月)は開館。
開館時間: 10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
入場料: 無料、講堂内のみ事前予約制
HP:https://mangamoshimotokyo.jp