
アイティーエル株式会社では、一人でも多くの方が美術館や博物館を訪れるきっかけとなるべく、2020年7月より【ミュージアム・レポート】を開始いたしました。
困難な状況下においても美術館・博物館ではさまざまな企画や対策をおこなっていることから、全てのアートシーンに対してこれからも変わらず応援していくべく、アイティーエルも継続して情報を発信していきたいと思います。
今回は麻布台ヒルズ・TOKYO NODEにて開催中の「デザインあ展neo」(会期:2025年4月18日(金)〜9月23日(金・祝))をご紹介します。
本展覧会について

前回の「デザインあ展」をアップデートした内容でお贈りする「デザインあ展neo」は、NHK Eテレで放送中の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場に展開する展覧会です。
このシリーズは、これまで2013年に21_21 DESIGN SIGHTを皮切りにし、2018年から2021年には日本科学未来館、富山県美術館など全国6つの美術館で開催し、過去2期にわたって累計116万人を動員。
虎ノ門ヒルズ・TOKYO NODEで今回3回目となる「デザインあ展neo」は、こどもたちにデザインについて、さまざまな思考 ・ 発見を楽しんでもらうコンセプトはそのままに、新たなテーマの新作を展示します。
「モノ」をテーマとしてきたこれまでの「あ展」に対し、今回は「あるく」「たべる」「すわる」「もつ」など、わたしたちが行う行為(動詞)をテーマにして着想を得たさまざまな展示が楽しめます。
そんな作品群では、自分の身体も使って体感し、日常をつむぐさまざまな行為を、デザインの視点から捉え直し、3映像と音楽をからだいっぱいあびる作品など、作品も内容もパワーアップしています!
次々に現れる動詞

会場に足を踏み入れると「動詞の庭」があります。巨大な「あ」の下には、私たちが暮らしの中で動かすさまざまな道具が…じっと観察していると静かに動き、人がどんな動作をしているかを意識するイントロダクションとなっています。
次の作品は「あるきかたログ」。6つのブースのどれかに入り、指示されたポーズを取ると、撮影されてスクリーンに映し出されます。自分と他5名の写真が次々スクリーンに出てきて、歩く姿の連続写真はまるでパラパラ漫画のようです。
“食べる”を多角的に捉える

次は「たべる」の展示です。
お箸や指先、スプーン、フォークなど、たべる行為に多様な動作をしていることを実感させられます。
また、液晶パネルには、ご飯、ハンバーグ、サンドウィッチ、プリンの4種類のメニューが映し出され、固さ、厚さ、焼き加減などを自分が選んで美味しそうに見せる体験コーナーがありました。その中には、麻布台ヒルズ内の飲食店で食べられるメニューもあり、会場後にも展覧会を楽しませてくれますね。
次に、擬音語や擬態語のオノマトペの積み木では、食感を表す言葉の豊かさを再発見しますが、展示で驚いたのは英語にも対応する単語があることでした。こちらは英語での意味合いを言語学的に調べてたのだそう…日本の独特の感性に触れられた展示でとても新鮮でした。
さまざまな体験コーナーが目白押し!

次に「すわる」や「もつ」に進むと、さまざまな体験展示が目白押し!
「すわる」コーナーでは、帝王が座るようなイスのフォトスポットをはじめとし、小学校でおなじみの木の板とパイプでできたさまざまな『学童イス』ほかにも、《すわらない世界》という絵では、よく見ると登場人物みんなが立っていました。
「もつ」コーナーでは、手で操る道具は1500個を集めた《もちてのむれ》をはじめとし、フライパンやちくわをパイプに触れないように動かす《もちはこびトライアル》、壺を割って組み立て直すコーナーや天井のごみ箱へと吹き上がるごみ袋を捨てるコーナーなど、大人も、子どもも、夢中になること間違いなし!
じっくり観察・考察をするデッサンや色塗り!

デッサンのコーナーでは、画題のオートバイを囲んで八つの角度から来場者がデッサン。それぞれ描いたものを持っていくと、すぐさまデッサンがスクリーンに映し出されます。(こちらは公式サイトでも見れますよ!)また、「デザインあ」の“あ”に色塗りができるコーナーでは、“あ”の文字を捩りながらも、思い、思いに、創作性を出して、それらの作品を目で楽しむことができました。
展覧会最後には映像作品

「デザインあneo」ならではの映像の部屋です。360度のスクリーンいっぱいに踊る「あ」の文字によるダンスムービーや、DJ KOOさんのノリノリの声に合わせてスクリーンの中の映像と体験者のからだの動きが連動するかのような作品「DO IT!」など、映像に没入できる体験を楽しめます。
最後に

本展覧会は、観察・考察・体験など異なるアプローチの作品でそれぞれの行為を紐解いていきます。
こどもたちにデザインについてさまざまな思考 ・ 発見を楽しんでもらうコンセプトはそのままに、新たなテーマの作品展示が楽しめ、映像と音楽をからだいっぱい感じる作品など、「あ展」ならではの作品群をパワーアップして展開しています。
さらに、虎ノ門ヒルズ内の飲食店で提供される開催記念のスペシャルメニューに加え、街の中にも「あ」の装飾が登場します。
【情報】
デザインあ展neo( Design Ah! Exhibition neo )
会期:2025年4月18日(金)~ 9月23日(火 ・ 祝)
開館時間:10:00~19:00(入場は閉館の30分前まで)
※ただし4月23日(水)および各月第一 ・ 第三水曜日は17:00閉館(16:30最終入場)。9月17日(水)は19:00閉館。
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F)
料金(日時指定制):2,500 円(一般)、1,200円(高校生/中学生)、1,000円(小学生)、500円(2歳以上)、無料(2歳未満)
※小学生以下の入場には保護者の同伴が必要。 ※障がい者の介助者の方は1名無料。
主催:TOKYO NODE、NHK、NHKエデュケーショナル、NHKプロモーション
特設サイト:https://exhibition-ah-neo.jp/