【日比谷OKUROJI】「Trace of Water -水の痕跡-」

会場風景

アイティーエル株式会社では、一人でも多くの方が美術館や博物館を訪れるきっかけとなるべく、2020年7月より【ミュージアム・レポート】を開始いたしました。

困難な状況下においても美術館・博物館ではさまざまな企画や対策をおこなっていることから、全てのアートシーンに対してこれからも変わらず応援していくべく、アイティーエルも継続して情報を発信していきたいと思います。

今回は、DESIGNART TOKYO 2024の日比谷OKUROJI[H-05]にて開催中の「Trace of Water -水の痕跡-」展(会期:10月18日(金)から10月27日(日))をご紹介します。

DESIGNART TOKYOとは?

「DESIGNART TOKYO(デザイナート トーキョー)」は、世界屈指のミックスカルチャー都市の東京を舞台に、デザイン、アート、インテリア、ファッションなどを横断しながら、多彩なジャンルをリードする才能が集まり、新たな視点で切り拓く唯一無二の作品が集結します。

中には、デザインとテクノロジーから生まれたアートのような家具、アップサイクルでありながら美しいデザインと機能性を持つプロダクトなど、近年増えているジャンルレスな作品がさらに新たな視点で解釈された作品をはじめ、多様なプレゼンテーションが展開されています。

2024年度のメインテーマ「Reframing ~転換のはじまり~」のもと、日々たくさんの情報が行き交うなか、既存の概念や思考に縛られ、無意識に本質や解釈に制限をかけている世の中に問いかけ、来場者に新たな気づきをもたらし、視点の拡がりが生まれる鑑賞体験を提供します。

本展覧会について

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今回、国内屈指のウォーターサーバーシェアを誇る「アクアクララ」× 素材・技術・文化の持続可能な体制を目指すデザインラボ「 HONOKA(ほのか) 」による日比谷OKUROJI[H-05]にて開催中の「Trace of Water -水の痕跡-」展の会場の様子をお届けします。

本展覧会は、家庭やオフィスに安心で美味しいお水をお届けする「アクアクララ」のウォーターサーバー用リターナブルボトルを、デザインラボ「 HONOKA 」が “素材” としての潜在力にフォーカスし、その未知なる可能性や用途を探求するボトルアップサイクルの展示です。

これまでアクアクララのウォーターボトルは、環境に配慮して繰り返し使える、リターナブルボトルを採用しています。しかしその中で劣化や破損、使用期限を迎えたボトルは、適切にリサイクルし、再資源化することをブランド目標の一つとして積極的に取り組んでいます。

HONOKAは、これまで培ってきた多様な加工方法や素材への知見を活かし、役目を終えた高品質なポリカーボネート製のウォーターボトルを、建材やプロダクトへとアップサイクルし、新しい表現方法で再利用しながら、新たな価値を創造する可能性を探求しています。

本展覧会の見どころ

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HONOKAは独自の創造性を発揮し、これまでにない視点から素材の可能性を探求し、新たなマテリアルデザインに重点的に取り組み、多用途の幅広い表現を創り出しています。

会場では、そんな審美性と機能性を兼ね備えた美しい「建材」へと応用し、花器、スツール、ペンダントライトなどのプロダクトを制作・展示しています。

実験やリサーチの過程も展示!

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こちらのコーナーでは、アクアクララのリターナブルボトルから、新たな価値を引き出す過程を捉えた様子を展示しています。

HONOKAのデザイナーたちが手を動かし、幾度と試行錯誤を重ねながら、ポリカーボネートの特性を最大限に引き出し、 美しくかつ機能的な素材へと変貌させ、ボトルの素材に新たな価値を創る瞬間を象徴しています。

会場では、こうした実験やリサーチの過程も展示して、素材の可能性を探るために行った、さまざまな製法の試みを紹介し、ボトルの素材としての可能性を探っています。

さまざまな水の表情にも注目!

会場風景

会場では、ポリカーボネートの耐衝撃性、透明性、軽量性、耐熱性、耐候性、寸法安定性といった特性を活かし、花器、スツール、ペンダントライトなどのプロダクトを制作・展示しています。

アクアクララのウォーターボトルは、使用回数が繰り返されるほど水分を含むという特徴を持っていることから、熱を加える製法過程において水分が蒸発して小さな気泡が発生します。

「Trace of Water -水の痕跡-」というタイトルにもある通り、ウォーターボトルの美しい色彩や吸湿した樹脂の特性から、水が見せる魅力的な特性や表情を楽しめるので、ぜひ建材やプロダクトに近づいてじっくりご覧になってみてください。

もう1段階進んだアップサイクルへ!

会場風景

中でも筆者が注目したのは、建材やプロダクトとして使い終わったのち、粉末化して塗る建材(左官材料)として再利用した方法を紹介した左官壁の展示です。

HONOKAは長期的な視野に立って未来を見据え、もう一段階進んだアップサイクルに挑戦した、塗る建材を応用したプロダクトデザインの取り組みは、アクアクララのウォーターボトルは単なる容器を超え、持続可能な未来に向けた新しい役割を果たそうとしています。

最後に

HONOKAは、ウォーターボトルの美しい色彩や吸湿した樹脂の特性からインスピレーションを受け、 多様な加工方法や素材への知見から、建材やプロダクトへとアップサイクルし、新しい表現方法で再利用しながら、新たな価値を創造する可能性を探求しています。

こうした歴史や文化を感じさせる素材や技術の魅力を可視化し、 その永続的な価値を未来に届けるという理想を実現しようとする彼らの取り組みは、鑑賞者の私たちに目の前のことだけにとらわれず、本当の意味での持続可能とは何かを問われていると同時に、視野を広く持つことの大切さを訴えかけてくれています。

ぜひ会場で未来を見据えた生き方へとつながる豊かな鑑賞体験を楽しんでみてください。

【情報】
展覧会名: Trace of Water 水の痕跡 –
会期:2024年10月18日 (金)~ 10月27日 (日)-
開場時間 : 11:00 – 20:00
会場:日比谷OKUROJI [H-05] 東京都千代田区内幸町1-7-1
アクセス:https://www.jrtk.jp/hibiya-okuroji/access/