【上野の森美術館】キングダム展 −信−

大人気漫画『キングダム』の魅力の“原点”を探求!

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

まだまだ新型コロナウイルス感染症により、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、気軽に訪れられない日々が続いています。

しかし、そんな状況下に負けじとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべく、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。

そのような経緯から上野の森美術館にて開催している、漫画作品『キングダム』の連載開始15周年を記念した『キングダム展 −信− 』をご紹介します。

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

原 泰久原作の大人気漫画『キングダム』は、春秋戦国時代の中国を舞台に、天下の大将軍を夢見る下僕出身の少年・信(しん)と、中華統一を目指す若き王・嬴政(えいせい)の成長と活躍を描いた、歴史大河コミックです。

2019年、邦画実写化作品No.1ヒットを収めた実写映画は続編制作も決定しているほかにも、原作のコミックス累計発行部数8,000万部を突破し、2021年には「週刊ヤングジャンプ」にて連載開催から15年目を迎えました。

本展では、第1話「無名の少年」から第438話「雄飛の刻」までのストーリーから『キングダム』の魅力の“原点”を探求!

原先生全面監修のもと主人公である信の物語を再構築し、400点以上にものぼる原先生による直筆の生原画や、今回の為に描きおろしたイラストを約20点展示するなど、過去最大規模の原画展です。

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

会場では、0章から13章に分けて仲間との別れや戦いを通して成長していく信の姿とともに、書下ろし原画に立体的な造作も交え、迫力のある展示空間に仕上がっています。

また、原作漫画を読んでいない来場者でも楽しめるように、物語の重要シーンが描かれている原画を引き伸ばした巨大グラフィックが展示壁に転写されており、その部分を読み解いていくだけでも全体のストーリーが把握できる工夫もされています。

本展覧会ラストのエンディングでは、本展覧会のビジュアルを含むイラストのほかにも、ファンにはたまらない構想段階で描かれたスケッチやネームなど、作品の裏側に迫る貴重な作品も公開されていますのでお見逃しなく!

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

原 泰久先生は自身が描くキャラクターに感情移入するあまり、時には泣きながら原稿を描くというエピソードがあります。

そんな丹精込めて製作された400点以上にものぼる直筆の生原画…美しい照明によりGペンによる繊細な筆跡やホワイトによる修正箇所もくっきり!

真剣に物語と向き合って制作に打ち込む姿勢や息遣いが感じられるのと同時に、これからもどんな物語を生み出し、展開されていくのか、ますます期待が高まりますね。

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

「キングダム展 −信−」©️原 泰久/集英社

取材・執筆・撮影:新麻記子

【情報】
キングダム展 -信-
東京会場
会期:2021年6月12日(土)~7月25日(日)
※会期中無休
※全日日時指定制
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:10:00~20:00
※最終入館は閉館の1時間前まで
HP:https://kingdom-exhibit.com

  1. 【三菱一号館美術館】アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に

  2. 【アーティゾン美術館】ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着

  3. 【WHAT MUSEUM】「諏訪敦|きみはうつくしい」

  4. 【大田区立川端龍子記念館】川端龍子生誕140年特別展「川合玉堂と川端龍子」

  5. 【東京シティビュー&森アーツセンターギャラリー】「la Galerie du 19M Tokyo」

  6. 【東京都庭園美術館】「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル — ハイジュエリーが語るアール・デコ…

  7. 【上野の森美術館】「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」

  8. 【東京都美術館】「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」

  9. 【国立新美術館】「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989–2010」

  10. 【パナソニック汐留美術館】「ピクチャレスク陶芸 — アートを楽しむやきもの ―「民藝」から現代まで」…