ハリーポッターの原点にふれ、魔法の歴史を紐解いてみよう!
新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着きつつあり、なかなか気軽にとまではいきませんが、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、訪れられることができるようになりました。
現在、新しい生活様式のもとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべ く、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。
そのような経緯から、東京ステーションギャラリーにて開催される「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展をご紹介します。
イギリスの作家J・K・ローリングによって著された、世界的人気を誇るファンタジー文学「ハリー・ポッター」。1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語です。
1997年に、シリーズ第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』がロンドンのブルームズベリー社から刊行されると、まったく無名の新人の著作であるにもかかわらず、またたく間に世界的ベストセラーになり、子供のみならず大人にも愛読され、児童文学の枠を越えた超人気作品として世界的な社会現象となりました。
2021年は映画公開20周年を迎え、2022年春にはスピンオフ作品『ファンタスティック・ビースト』の新作公開、夏には本編の後日談を描いた物語『ハリー・ポッターと呪いの子』が上演されるなど、まだまだその魔法ワールドの勢いは留まることを知りません。
この魔法の世界の成り立ちの背景には、魔術、呪文、錬金術、天文学などに関して、人類が何世紀にもわたって記述してきたさまざまな書物や資料が存在します。
本展では、原作者J.K.ローリングの直筆原稿やスケッチに加え、大英図書館が所蔵する貴重な書籍や資料などを紹介し、ハリー・ポッターの世界の底流にある言い伝えや魔法の歴史を紐解いていきます。
会場では、ハリーが学んだホグワーツ魔法魔術学校の科目に沿って10章で構成されています。
作品ファンなら聞き覚えがあるであろう「魔法薬学」「錬金術」「天文学」などをキーワードーに、科学が発達していなかった時代の人々が信じた魔法や魔術の記録を公開。
パピルスに記された古代ギリシャの魔法の手引書から、レオナルド・ダ・ヴィンチの天体に関する手稿、魔女やセイレーンなどを描いた絵画などがご覧になれます。
大英図書館の所蔵品を中心に選び抜かれた貴重な資料の数々から、ぜひ魔法の歴史を紐解き「ハリー・ポッター」の物語の秘密を探ってみてください。
また本展は、大英図書館が2017年に企画・開催した展覧会“Harry Potter:A History of Magic” の国際巡回展でもあります。
大英図書館の大規模な展覧会が日本に巡回するのは初めてであり、その充実したコレクションの一端をご覧いただける貴重な機会となるでしょう。
ぜひ今尚、読者や観客を驚かせ続けている「ハリー・ポッター」シリーズの作品世界に浸りに足を運んでみていかがでしょうか。
取材・撮影・文:新麻記子
【情報】
「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展<東京会場>
会期:2021年12月18日(土)~2022年3月27日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1丁目9-1
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、12月29日(水)~1月1日(土・祝)、1月11日(火)
※ただし1月10日(月・祝)、3月21日(月・祝)は開館
ホームページ:https://historyofmagic.jp/index.html