【寺田倉庫】『バンクシーって、誰?』展

ストリートで表現し続けているバンクシーの世界を没入体験!

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まだまだ新型コロナウイルス感染症により、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、気軽に訪れられない日々が続いています。

しかし、そんな状況下に負けじとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべく、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。

そのような経緯から天王洲アイルにあるWHATに引きつづき、寺田倉庫にて開催中の『バンクシーって、誰?』展をご紹介します。

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世界中のストリート、 壁、 橋などを舞台に、神出鬼没に出現する謎の芸術家であるバンクシー。

現在はイギリスを拠点に活動しており、テーマパークをはじめ、宿泊施設や映画制作など、その活動は多岐にわたり、特にステンシル(型版)を使用した独特なアートと、 それに添えられるエピグラム(警句)は、彼の代表的な活動スタイルです。

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移民や人権、消費社会への警鐘など、政治的・社会的テーマを積極的に取り上げ、風刺的でダークユーモアに溢れた作品や声なき人々を支援するバンクシーの作品は、社会問題に根ざしたものとして高く評価されています。しかし、未だに創作活動の全貌や動機など、その真相が分かる者は依然少なく、謎に包まれた存在です。

近年では、少女と赤い風船を描いた作品が高額落札されるや、額に仕込まれたシュレッダーで突如細断。瞬く間に世界中で報道され、話題をさらいました。日本では、バンクシー作品と思われるネズミの絵が発見されると、大手メディアやSNSで拡散、認知度が上がりました。

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本展覧会は、彼が世界中で発表してきた作品を一堂に集めた、まるで“玩具箱をひっくり返した”ような内容となっています。

美術館とは異なる会場空間では、世界中に分散するバンクシーのストリート・アートの代表作品を、テレビ局の美術チームがリアルサイズに再現しています。

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バンクシーのストリート作品を見るために世界一周の旅へ出なくとも、活動の3大地域と言われる故郷イギリスのブリストルからロンドン、映画にもなったニューヨークでの活動や自主企画で一世を風靡したロサンゼルス、そして幾度も訪れては作品を残しつづけている中東の街並みを体感することができます。

順路に歩を進めて巡ることができる都市や国々から、それぞれが抱えている政治や社会問題に対して、バンクシーが作品込めたアイロニカルなメッセージが伝わってきます。

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そして、ストリートや美術館でも見ることのできない、プライベート・コレクター秘蔵のオリジナル作品も一挙公開。

今回特別出展としてイギリスのファッション・デザイナーで、アートに造詣が深くバンクシー好きとして知られる、ポール・スミス氏からお借りする希少な油彩画《コンジェスチョン・チャージ》も必見です。

キャンバス、段ボール、鉄板、木板、紙、石の彫刻、リトグラフ、ポスター、アルバム・ジャケットほか、バンクシーの作品制作風景を収めた写真を含め、多種多様な表現手法や出展品にも注目してみてください。

ⒸNTV Banksy, Congestion Charge 2004, Paul Smith Collection

ストリート・アーティストの先人であり、現代アートの巨匠の次世代として、いま世界で最も注目を集めている時代の先駆者“バンクシー”。

その彼が根ざしている活動の意味を幅広い世代に楽しく理解できるとても貴重な機会となります。ぜひ足を運んでみてください。

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ストリート・アーティストの先人であり、現代アートの巨匠の次世代として、いま世界で最も注目を集めている時代の先駆者“バンクシー”。

その彼が根ざしている活動の意味を、幅広い世代に楽しく理解できる、とても貴重な機会となります。ぜひ足を運んでみてください。

取材・撮影・文:新麻記子

【情報】
「バンクシーって誰?展」
会期:2021年12月5日(日)まで
会場:寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川2-6-4)
時間:11:00~20:00 金、土、祝前日は21:00まで
※最終入場は閉館時間の30分前まで
休館日:10月5日(火)、12日(火)、19日(火)
HP:https://whoisbanksy.jp/