豊かな自然美と機能美が共存するフィンランドデザイン
新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着きつつあり、なかなか気軽にとまではいきませんが、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、訪れることができるようになりました。
現在、新しい生活様式のもとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべ く、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。
そのような経緯から、Bunkamura ザ・ミュージアムにて開催している『ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル』をご紹介します。
Bunkamura ザ・ミュージアムはいつでも気軽にアートが楽しめる自由型美術館です。近代美術の流れに焦点をあてた展覧会を中心に、テーマ性・先見性・話題性を持った展覧会を企画しています。
そんなBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル』では、フィンランドが近代化していく時代のデザインの歩みを、世界的に影響をもたらしたテキスタイル、ガラス工芸、陶磁器、家具類なども加え、約250点の作品と約80点の資料から人気のフィンランドデザインの歩みをたどることができます。
国土の7割が森林で、18万以上の湖を有する、美しい大自然からインスピレーションを得て生まれたフィンランドデザイン。
フィンランドで長く使い続けられているデザイン・プロダクトの数々は、「大いなる自然を忘れない」という思想に裏付けられ、そのようなデザインに囲まれているフィンランドの人々は、大地から恩恵を生活に取り入れるライフスタイルを愛してきました。
会場では、1930-1970年代にデザイン・制作された人気の高いプロダクトともに、同時代の絵画などもあわせて展示し、フィンランドのデザインを多角的に紹介します。
会場のマリメッコやフィンレイソンのテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸の他、陶磁器や家具などから、長く厳しい冬を快適に過ごすために、光を集めるガラスやぬくもりのある木材、素材の特性を最大限に活用し、心躍る色彩で日々の生活を明るくカラフルに演出するのも、フィンランドのライフスタイルならではですね。
シンプルで飽きがこない、機能的なデザインが多いのも、何世代にもわたり大切に使い続けられ、時代を超えて愛されているフィンランドの丁寧な暮らしを反映していると言えるでしょう。
全く違った文化を持つフィンランドと日本。しかし、素材の表情を生かして自然との調和を図るフィンランドデザインは、日本の美意識との親和性が高いことが指摘されています。両国のデザインに見える共通点を探しながら鑑賞してみると、面白い発見があるかもしれませんね。
ぜひフィンランドデザインの誕生と発展のストーリーを紐解きながら会場を巡ってみてください。
取材・撮影・文:新麻記子
【情報】
『ザ・フィンランドデザイン展 ー自然が宿るライフスタイル』
会期:2021年12月7日(火)〜2022年1月30日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
時間:10:00〜18:00(最終入館時間 17:30)
※毎週金・土曜日は 21:00 まで(入館は 20:30 まで)
※状況により、会期・開館時間等が変更となる可能性がございます。
また、会期中の全ての土日祝、および最終週の1月24日(月)~30日(日)は【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。ご来場の際には、Bunkamura HP にて最新情報をご確認ください。
ホームページ:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/