ベートーヴェン『交響曲第九番、第四楽章』を手話言語により表現!
新型コロナウイルス感染症の変異株により、日々増加傾向にある感染者数に伴いまして、美術館、博物館、ギャラリーなどの文化施設に、気軽に訪れられない日々が続いています。
現在、新しい生活様式のもとオンラインチケットで密を防ぎ、検温や消毒など徹底した感染症対策を行いながら、運営に努める施設関係者の思いに応えられるように、一人でも多くの方が美術館を訪れるきっかけとなるべ く、展覧会の模様を伝える【ミュージアム・レポート】をスタートしました。
そのような経緯からダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」にて開催中の体験型写真展「第九のきせき」をご紹介します。
本展覧会は、ホワイトハンドコーラス NIPPON (障害者の有無に関わらず活動するユニークな合唱団。一般社団法人El Sistema Connectが運営。)が手話言語により表現した、ベートーヴェン『交響曲第九番、第四楽章』(通称第九)を可視化したものです。
写真家・田頭真理子氏によって撮影された写真作品には、1〜4秒の時間が封じ込められており、「歓喜の歌」の歌詞の一部が切り取られ、聴覚や視覚を超えた音楽と写真のコラボレーションが楽しめます。
ベートーヴェンによる不朽の名作『交響曲第九番』を尊重し、ホワイトハンドコーラス NIPPON や写真家・田頭真理子による表現を通じて、ベートーヴェンが伝えたかったメッセージを体験できることでしょう。
本企画は、ソーシャルエンターテイメントを手がける、ダイアログ・ダイバーシティミュージアムならではのコンテンツです。
会場では、聴覚障害者も、視覚障害者も、健常者も、全ての来場者が楽しめるよう、音響や点字を用いるなどの工夫がされており、能動的に作品に関わる仕掛けが施されています。
また会期中には、写真家・田頭真理子氏が来場者に光る手袋をはめて表現してもらう「歓喜」を撮影するフォトセッションを実施します。最後の展示室にその写真を増やし、訪れた人々の歓喜を重ねていき、訪れた参加者と共に展示の最終章の完成を試みます。
また、フォトセッション以外にも、ろう者から生まれた音楽表現である手歌体験のワークショップなどが開催されるので、そちらも合わせてチェックして足を運んでみてください。
取材・撮影・文:新麻記子
【情報】
体験型写真展「第九のきせき」
会期:2022年4月29日(金・祝)~5月29日(日)
会場:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
アトレ竹芝シアター棟1階 (東京都港区海岸一丁目10番45号)
アクセス:浜松町駅(JR・モノレール)徒歩6分、大門駅(地下鉄大江戸線・浅草線)徒歩7分、
竹芝駅(ゆりかもめ)徒歩3分
時間:11:00~18:00
休館:月曜日
入館料:中学生以上:1,000円(税込)/小学生以下:無料 ※保護者の同伴が必要です。
ホームページ:https://daikunokiseki.dialogue.or.jp/