環境と溶け込むような自然な光を演出し、
違和感なく再現することができました。
作家になったきっかけは?
“GTS Sumida River Art Bridge” というアートプロジェクトで、関係者である友人から「何か作品を作ってみないか?」と声をかけられたのがきっかけです。
当時は設計の仕事をしていましたが、その傍ら作品制作に打ち込んだのが、今思えば作家への第一歩だったかもしれません。
その後、2013年に神戸ビエンナーレで準大賞を授賞し、本格的に美術家になろうと決めました。
どのような作品を創作をしているのか教えてください。
僕がつくるものは、設置する場所や人の事など自分の手が届く範囲のミクロの視点と、例えば都市や国、もっと広い範囲での世界などのマクロの視点から、それらがどのように関わり結びついてその景色があるのか、どのようにこれからその場所が変化していくのか、どのように場所、それぞれの “ モノ ” や “ 事 ” が 繋がっているのか、読み解き考えるための媒体でもあると考えています。
僕はその媒体を、単純な幾何学や素材の特性により構成されるパターンを用いて、主に彫刻やインスタレーション、写真作品などを制作しながら、世界の在りようを探っているのだと思います。
作品には、特に金属素材を使用することが多く、刻々と変化する周辺環境を捉えるだけでなく、その場所と関わり、それ自体が介入・媒介することで、景色の一部として点在する景色を繋げていくための装置のような役割になるとも考えています。
また近年では、紙などの環境による変化とより同期しやすい素材や、「色」を用いて物の配置や関係を考えるシリーズなど、さまざまな素材や表現を用いて作品を展開しています。
今回、ITLの照明によって作品の見え方にどのような違いがでましたか?
過去には、既存のスポットライトに枠などを自作して、調光やトリミングをしていたこともありました。
また今回も、新作にスポットライトをあて、何度もテストをおこないました。
ITLの照明器具はトリミングだけでなく、暖色⇄寒色への色温度の対応はもちろん、調光なども思い通りに簡単に調整できるので、自分の理想とする作品の魅せ方を実現できたと思います。
作品展示において光についてどのようにお考えですか?
今回、色を用いた作品を制作しました。宙に浮かんでいる4色(赤・青・黄・緑)の色彩シートは、その形状も切り込みも同じなのですが、色の配置や関係で見え方が変わる作品です。
物体は、単体としても見えますが、一塊としても見えてくる、また反射する影同士やその間さえもが連なって集団にも見えてくる。このように光は鑑賞者の想像を掻き立てて、作品や空間の情報に変化を与えてくれるものだと思います。
ITLの照明を使用してみた感想。
私の展示では、照明の光も作品と連動するよう「自然な光」になるように心がけています。
今回、外光を取り入れているギャラリーでの展示なので、日中は大きな窓から自然光が入りますが、陽が傾きはじめると照明の効果が発揮されます。
ITLの照明器具は時間の流れに合わせながら、外の環境と溶け込むような自然な光を演出し、違和感なく再現することができました。